作家佐藤愛子さんが92〜93歳の時に書いた連載エッセイがもととなった映画「90歳。何がめでたい」。
90歳にして主演草笛光子さんのパワーの秘密、”ちょい役”豪華キャスト陣、映画から見えてくる現代人への大切なメッセージ、原作者佐藤愛子さんの等身大の生き様をまとめました。
映画「90歳。何がめでたい」は、映画の内容だけでなく、主演を演じる草笛光子さん、そして原作者である佐藤愛子さんの在り方そのものも、私たちにたくさんの気づきやヒントを与えてくれるでしょう。
主演女優草笛光子、90歳とは思えぬ声のハリ。健康の秘訣は?
2024年6月に公開された映画「90歳。何がめでたい」。
主演を演じている草笛光子さんは、作品中の佐藤愛子さんと同じ90歳という年齢でこの役を演じています。
草笛さんの90歳とは思えない声のハリと滑舌の良さ、そして美肌に私はびっくりしてしまいました。
草笛光子さんは1933年生まれで、2026年現在は93歳になられます。小学生の頃からバレエを習い、17歳の時に松竹歌劇団入団。
淡路恵子さん、深草筝子さんと共に『スリーバールズ』というユニットを組んでいたそうです。歌って踊れる歌手だったんですね。
草笛さんは映画の中で、佐藤愛子さんの担当編集者を演じる唐澤寿明さんとテンポ良い掛け合いを披露しています。
あの滑舌の良さ、大きな声は、若い頃におそらく積み重ねてきたボイス・トレーニングの賜物でしょうね。
松竹歌劇団を退団した草笛さんは、東宝に入社し音楽バラエティの司会や映画、テレビで女優として活躍しています。
今回の映画「90歳。何がめでたい」は初の単独主演作品だそうです。長年、芸能活動を続けてきて、90歳にして映画初主演という花道。
なんとも「めでたい」話だと個人的には思いますけどね。俳優業にかぎらず、何か一つの道を貫き通する生き方は、本当にかっこよくて憧れます。
90歳を過ぎてなお現役、エネルギッシュな演技を見せてくれている草笛光子さんが、自身の身体的な老化を実感し、筋トレとストレッチを始めたのは72歳の頃だそうです。
やはり、健康に歳を重ねていく人というのは、自分の健康管理をしっかりとやっているものなのですね。
私も自分の健康を意識して小さな努力を今のうちから積み重ねていこうと思います。
映画の中では歩く姿も颯爽と、実にお元気そうな草笛光子さんですが、時には自分の「死」についても考えるのだそうです。
この年になれば、明日いなくなるかもしれないわけでしょう。
でもクヨクヨしても仕方ないから、明日は明日の風が吹くで、考えないようにしています。
今日という一日を精いっぱい生きていれば、いつお迎えが来たっていいんじゃないかしら
(dmenuニュース記事より)
このように前向きでサバサバしたものの考え方も、90歳を過ぎてなお、現役の女優として主演を務める草笛光子さんのパワーに秘訣!
私はそんな風に感じました。
これからも美しく輝きながら、「健康でパワフルに生きる、素敵な人生の大先輩」として、私たちにその背中を見せ続けて欲しいものですね。
「え!?こんな”ちょい役”にあの人が…」主演草笛光子を支える豪華キャスト陣。
さて、90歳で初の主演を務めた草笛光子さんも「90歳。何がめでたい」の見どころの一つですが、わきを固めるキャスト陣がまた豪華なのも、この映画の魅力です。
まず、佐藤愛子さんの担当編集者を演じる唐澤寿明さん。切れ長の目がクールな印象を与える端正なお顔つきの俳優さんです。
しかし、この映画では白髪混じりのボサボサ頭の、いかにもうだつが上がらない「中年おやじ」といった感じ。
私は最初見た時、「え?本当に唐澤さん?」とちょっと目を疑いました。
主人公佐藤愛子さんの娘役を演じる真矢ミキさんも髪型のせいでしょうか、私は最初は真矢ミキさんという確信が持てませんでした。
編集者の妻を演じる木村多江さんも、所帯やつれしていかにも不幸そうな妻を見事に演じてましたよ。
佐藤愛子さんが乗車したタクシーの運転手を演じていたのは、三谷幸喜さん。草笛光子さんとのコミカルなスマホ談義で名演技を見せてくれています。
大ベテランの名脇役か?それとも往年のコメディアン?という貫禄でした。
次に、どこの総合病院にも一人はいそうな事務職員を演じていた石田ひかりさん。石田さんといえば、同世代の女性が憧れる、『素敵な大人女性』の代名詞みたいな女優さんですよね。
しかし「90歳。何がめでたい」では、どこにでもいそうな中年女性の雰囲気を醸し出しています。
石田さんの登場シーンでは、「石田光さんに似てるけど、あれ、やっぱり違うよね」とキツネに包まれたような気持ちでした。
とにかく個人的には「目を疑う…」ことが多かった豪華キャスト陣です。
他にも、オダギリ・ジョーさんや清水ミチコさんなどが登場しています。
どのシーンで、どんな役どころで登場するのか?それは「90歳。何がめでたい」観てのお楽しみ…。
そして最後に、個人的に『豪華キャスト陣』から絶対に除外したくないキャストがいます。それが、佐藤愛子さんが可愛がっていた「愛犬のハチ」。
執筆活動で忙しくしている主人の佐藤さんが、自分の方を振り向いてくれるのを待って、窓の外から佐藤さんの背中をじっと見つめている犬の表情がなんともいえないのです。
演技をしているわけではないのでしょうが、あの哀愁漂う表情は作っているとしか思えない。犬好きの人は必見です!!
「90歳。何がめでたい」あらすじから見えてくる、人生100年時代を生きる現代人のメッセージ。
断筆宣言をし、余生をゆっくり過ごすはずだった作家佐藤愛子(草笛光子)。だが意外にも、引退後の生活は、毎日、新聞やテレビを眺めながら、自身の老いや社会からの隔絶感と向き合う鬱々とした日々だった。
そんな愛子の元に、とある大手出版会社に勤務する編集者、吉川真也(唐澤寿明)がエッセイ企画を持ちかけてくる。吉川は昭和の価値観を固持する頑固一徹の中年男。
職場では若手女性社員へのパワハラ・セクハラ嫌疑をかけられ、家庭では妻(木村多江)に愛想を尽かされ出ていかれる、という仕事もプライベートも最悪な状況。
何度断っても、手土産を持ってしつこく訪ねてくる吉川に根負けし、エッセイの執筆を引き受けることになった愛子。
最初は渋々、書き始めたエッセイだったが、持ち前の歯に衣きせぬ物言いで日々の出来事を綴ったエッセイがベストセラーとなり、徐々に活気を取り戻していく。
飾り気のないまっすぐな愛子の姿をそばで見守る吉川の中でも何かが徐々に変わり始める…。
ここからは私の個人的な感想ですが、「仕事を引退したら、好きなことしてのんびり過ごす」そんな憧れを胸に抱く人は多いと思います。
ですが、映画の中で、佐藤愛子さんも語っているように、いざ隠居すると自分の役割がなくなったように感じ、無価値感に悩まされ、鬱っぽくなってしまう人も意外に多いのではないでしょうか?
たとえ仕事を引退したとしても、自分なりの方法で世の中と関わり続けることの大切さを「90歳。何がめでたい」は教えてくれていると感じました。
そういった意味では、何よりも原作者である佐藤愛子さん、そして主演の草笛光子さんのお二人がまさに、この映画の大切なメッセージを体現していると言えるでしょう。
どこまでも等身大でたくましい生き様がカッコ良すぎる!原作者佐藤愛子の人物像に迫る。
さて、ここまでは「90歳。何がめでたい」の主演女優草笛光子さんと、その脇を固める豪華キャスト陣、そして映画のあらすじについて書いてきました。
ここで、この映画の主人公で実在の人物、作家佐藤愛子さんという人についても触れておきたいと思います。
人生100年時代と言われる昨今、『いかにして自分の人生を最後まで自分らしく生ききるのか?』佐藤愛子さんの等身大の在り方にそのヒントが隠れているように私には思えるからです。
佐藤愛子さんは大正12年生まれで、今年102歳(2026年11月には103歳)になられます。
小説家の父と女優の母の元に次女として誕生。2度の結婚歴があります。1度目の夫とは別居中に死別、2度目の夫とは借金問題が原因で離婚。
しかし、執筆活動やテレビ出演などして借金を返済したのは佐藤さんだそうです。そしてその時の経験を題材とした短編小説で直木賞を受賞されています。
離婚した夫の借金を自分が肩代わりし、しかもそれを題材にして小説を書くなんて、並大抵の精神力ではないですね。
「90歳。何がめでたい」の映画の中で、佐藤さんが記者に向けて『生きる力』について語るシーンがあります。
借金返済のエピソードは佐藤さんのとてつもない『生きる力』を象徴する話だなと私は感じました。
そんな逞しさと力強さを秘めた佐藤愛子さんは愛犬家としても知られています。
映画の中では北海道でキタキツネから救出した子犬を東京の自宅まで連れ帰ったり、迷い犬を保護して世話をしたり。
かたや「憤怒の作家」と呼ばれ、世間を辛口の佐藤節で批評し、多額の借金も筆一本で返すほどの女傑でありながら、
行き場のない犬たちに手作りのご飯を与えて世話をする、という愛情豊かな一面も佐藤愛子さんは持っておられるのですね。
現在は102歳になられ、さすがに執筆活動は引退されているようです。しかし、雑誌のインタビュー記事を拝見している限りでは、単刀直入で飾り気はない。なのに、なぜだかチャーミングでユーモラスなもの言いはご健在なようです。
人からどう思われるか気にせず自然体で生きる。それが佐藤愛子さんの最大の魅力であり、もしかしたら健康の秘訣でもあるのかな、と個人的には感じます。
私も佐藤愛子さんのようなカッコ良いシニア女性を目指して、佐藤さんの膨大な著書を読んでみようと思っています。生きるヒントをたくさんいただけそうですよね。

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