映画 涙そうそう にぃにぃの死(ネタバレ)感想・考察・徹底解説!急展開であっけなさすぎなのか?

沖縄エンタメ
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映画「涙そうそう」は、歌手の森山良子さんが、若くして急逝した兄への想いを歌にした、楽曲「涙そうそう」をモチーフにした作品です。

TBSの「涙そうそうプロジェクト」の劇場版として2006年に公開されました。

主演、妻夫木聡、長澤まさみ。

監督、土井康裕。

この記事では、妻夫木聡演じる”にぃにぃ”(新垣洋太郎)の死について、徹底解説しています。

にぃにぃが死んでしまった原因、

何故、あんなにもあっけなさすぎる最後になったの?

展開が急すぎない?

など考察していきますので、最後まで是非読んでください!

 

映画 涙そうそう にぃにぃが死んでしまった原因は!?(ネタバレ)

にぃにぃ(妻夫木聡)が死んでしまった直接の原因は「心筋炎」です。

自分の店を開くために必死で貯めた資金を、亀岡(船越英一郎)にだまし取られた洋太郎。

借金返済のために働きづめで、栄養失調と過労により免疫力が低下。

その状態で菌に感染し、心筋炎を起こし亡くなりました。

洋太郎が亡くなるまでのストーリー展開をご紹介します。

ネタバレありです。

カオルが大学入学を機に、洋太郎から離れ一人暮らしを初めて以来、

あえてカオルと距離を置いていた洋太郎。

しかし台風接近により次第に雨風がひどくなるなか、

洋太郎はカオルのことが心配で、彼女のアパートへと向かう。

停電した真っ暗な部屋で、一人怯え泣きじゃくっているカオル。

駆けつけた洋太郎は、カオルとともに台風養生をする。

その最中、倒れてきた木によって電線が切れ、アパートのガラス窓を直撃。

洋太郎は降りこんでくる雨に濡れながら、必死で雨戸を閉め、布団を窓枠に敷き詰める。

やっとひと段落ついたところで、意識が朦朧としてその場に倒れ込む洋太郎。

カオルが洋太郎の額に手を当てると、ものすごい高熱。

洋太郎はそのまま救急搬送されるが、かつての恋人恵子による必死の救命措置も虚しく死んでしまう。

 

台風が接近してきて少しずつ風が強くなってきた、という状況で洋太郎が咳き込んでいる場面がちらっと映し出されました。

さらっとした描写でしたが、実際、心筋炎の前駆症状は咳や微熱などの風邪症状らしいので、

かなり細部のリアリティにまでこだわった描写だったことがわかります。

沖縄では、台風が直撃すると、本当に想像もつかないくらいの暴風に見舞われます。

家屋の屋根の部分に設置されている貯水用のタンクが飛ばされて車を直撃したり、

無理に家のドアを開けようとして指を挟まれ切断したり。

本当に恐ろしいのです。

カオルへの恋心を断ち切るかのようにあえて距離をとっていた洋太郎でしたが、

台風直撃という非常事態で、ついに我慢できなくなった気持ちが、個人的にはとても共感できました。

特効薬がなく、安静にして回復を待つしかないという心筋炎。

カオルを守るため、雨風に打たれながら体を酷使したことで、一気に病状が悪化し亡くなったと思われます。

 

映画 涙そうそう にぃにぃの死に至る急展開の理由は(ネタバレ)?

二人の恋愛感情の終わり

カオルが洋太郎に「おせわになりました」と挨拶をして、家を出ていく場面から、

台風直撃、救急搬送、心肺停止という流れは、かなりの急展開…。

そんな印象を受ける人もいるかと思います。

ですがこの映画は、23歳という若さで急性心不全で亡くなった兄への想いを歌った

「涙そうそう」という楽曲がモチーフになっています。

ですので、残念ながら、映画でもにぃにぃが死んでしまうのが大前提、ということがまずひとつ。

また、映画「涙そうそう」では、主人公の二人は血の繋がっていない兄と妹。

しかも映画の一番最後を見ていただければわかるのですが、カオルはどうやら幼ない頃、

洋太郎に恋心を抱いていたらしい。

初恋の人、ということですね。

映画の最初こそ、久しぶりの再会を無邪気に喜ぶ洋太郎とカオルですが、

ストーリーが展開していく中でさまざまな事件が起こります。

兄と妹は互いを思いやり支えようとする中で、次第にお互いに対する恋心に気づきました。

二人は血が繋がっていないのですから、恋愛関係になっても問題はないのでしょうが、

それだと、楽曲「涙そうそう」の内容から乖離してしまいます。

結局、二人は離れて暮らすことを決め互いに対する恋心を封印。

二人の淡い恋心は、結末を迎えました。

そうなると、あとは兄の死に向かって物語を展開する以外にない、というのが私の見解です。

製作者側の事情

映画「涙そうそう」。

監督は、「いま、会いにゆきます」「オレンジデイズ」などで知られる土井裕泰監督。

しかしこの映画が企画された当初は、「半沢直樹」「VIVIANT」などを手掛けた

福沢克雄監督が指揮することになっていました。

2006年1月の公開を目指し、撮影を開始したものの、福沢監督は急病で降板。

映画の制作は、一時、延期となりましたが、その後、土井監督の起用により撮影再開。

2006年9月に公開されたのです。

当初の予定よりも大幅に遅れての公開となり、製作者側は時間的な猶予がなかったことも、

洋太郎の死がやや急展開になってしまった一因かもしれません。

しかし私個人としては、時間も押している中、土井監督はよくぞここまで素晴らしい作品に仕上げたな、と思います。

さすが、切ない恋愛ストーリーに定評がある土井監督。

逆に、これまで数多くの「社会派ドラマ」を手掛けてきた福沢監督による、映画「涙そうそう」は個人的にはピンときません。

福沢監督は元ラグビー選手だったと知って、余計に切ない恋愛・ヒューマンドラマのイメージとかけ離れてしまいました。

映画 涙そうそう にぃにぃの死はあまりにもあっけなさすぎ?(ネタバレ)

病院に運ばれてから洋太郎が心停止になるまで、本当にあっという間でした。

あまりにもあっけなさすぎる…。

そんな印象を持つ人もいるでしょう。

しかし私個人の意見としては、人は死ぬ時はあんなふうにあっけなく死んでしまうものです。

いつでもまたすぐ会える、と思っていた人がある日突然、死んでしまう。

しかも「ちょっと気分が悪い」と横になったと思ったら、あっという間に意識を失い、

病院に搬送された時には亡くなっていた、ということが現実に起こります。

これは、家族を亡くした私の実体験です。

だから洋太郎の最後は、リアリティがある。

あの場面で、もし洋太郎が息も切れ切れにカオルに何か言葉を残したりしたら…

私はそういう展開の方が、「やっぱり映画だな」と思ってしまいます。

最後に、オバァ役の平良とみさんが、

「人にはそれぞれ、長い命、短い命がある。

25年間というのがあの子に与えられた命だった」

といった主旨のことをカオルに言い聞かせる場面があります。

寿命が来たら人はあっけなく死んでしまう、という現実を静かに受け止めている言葉だと思いました。

オバァ自身、大切な人をたくさん見送って来て、人の命の儚さ、別れの唐突さを知り尽くしているからでしょう。

そんなオバァが発した言葉によって、洋太郎のあっけなさすぎる終わり、という展開は、

更にリアリティがあるものになったと個人的には感じます。

ちなみに、恋人の恵子に、ありし日の洋太郎が言った言葉があります。

「恵ちゃんがお医者さんになったら診てもらいに行こう。

あ、でも俺、風邪も引かないからな~」

洋太郎の気持ちを確かめに行った恵子に対し、二人が会うのはこれが最後だ、と暗にほのめかした言葉。

そのまま二人は別れてしまいますが、まさか洋太郎が瀕死の状態で再会するとは。

冗談半分にいった言葉が、嫌な形で実現してしまう。

そんな全く予期しないことが起こるのも人の人生。

私はここにもリアリティを感じました。

 

まとめ

以上、映画「涙そうそう」のにぃにぃの死について、個人的な感想も含め、考察・解説しました。

私は何度見ても、この作品は泣けます。

若かりし日の妻夫木聡さんと長澤まさみさん。

沖縄の人の素朴な雰囲気を漂わせ、本当の兄弟みたいですごく可愛い。

特に妻夫木聡さんの、あの素敵な笑顔。

お葬式の場面で出てくる彼の遺影は、本当に涙なくしては観られません。

写真を見るたびに、兄を思い出し、会いたくて、会いたくてたまらなくなる…

そんなカオルの心情、ひいては「涙そうそう」を作詞した森山良子さんの切ない想いを

追体験させられるようです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

 

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